
海外旅行や長期滞在、移住先として人気の高いマレーシアですが、実際の治安ランキングはどうなのでしょうか。
この記事では、世界平和度指数や犯罪指数といった国際的な評価をもとに、マレーシアの最新の治安ランキングをわかりやすく紹介します。また、観光、ひとり旅、女性の旅行、留学、移住など、さまざまな目的別に安全性を比較し、都市ごとの特徴や注意点も詳しく解説しています。初めてマレーシアを訪れる方にも安心していただけるよう、信頼性の高い情報をもとにまとめました。
記事のポイント
- マレーシア全体と主要都市の治安状況の違い
- 旅行や留学、移住における安全な地域の選び方
- 観光やひとり旅で注意すべきエリアと対策
- 最新の国際治安ランキングにおけるマレーシアの位置付け
マレーシアの治安ランキングと訪れる前に知るべき注意点
- マレーシアの世界平和度指数と国際犯罪指数
- 観光で訪れる際の治安事情
- ひとり旅で注意すべきエリア
- 女性旅行者にとって安全な街
- 留学先としての治安評価
- 移住を考えるならどこが安全?
マレーシアの世界平和度指数と国際犯罪指数
世界平和度指数(2024年)
マレーシアは登録163か国中10位で、日本より上位となっています。参考に、1位と最下位も示しています。
<ランク> | <国> | <スコア> | <平和度> |
1 | アイスランド | 1.112 | 非常に高い |
10 | マレーシア | 1.427 | 非常に高い |
17 | 日本 | 1.525 | 高い |
163 | イエメン | 3.397 | 非常に低い |
Numbeoによる国別犯罪指数ランキング(2025年)
マレーシアは登録147か国中60位です。参考に、1位と最下位、日本を示しています。
<ランク> | <国> | <犯罪指数> | <安全性指数> |
1 | ベネゼエラ | 80.7 | 19.3 |
60 | マレーシア | 48.9 | 51.1 |
138 | 日本 | 22.9 | 77.1 |
147 | アンドラ | 15.3 | 84.7 |
観光で訪れる際の治安事情

現在のマレーシアは、観光地として非常に人気が高い国ですが、エリアによって治安状況には大きな違いがあります。特に都市部では、スリや置き引きなどの軽犯罪が発生しやすく、観光客は注意を払う必要があります。
例えば、観光名所が集中しているクアラルンプールでは、観光客をターゲットにした詐欺やひったくりの被害が多く報告されています。バス停や駅の周辺、混雑するショッピングモールでも被害に遭う可能性があるため、あらゆる場面での注意が必要です。
また、人混みの中ではバッグやスマートフォンなどの持ち物が狙われやすく、背後に気を配ることや、バッグを前に持つなどの対策が有効です。
これらの理由から、観光を計画する際には、事前に危険エリアを調査し、訪問する地域の最新の治安情報をしっかり把握しておくことが非常に重要です。
さらに、貴重品の管理は徹底し、なるべく目立つ行動や過度な自己主張を避け、周囲に溶け込む姿勢を意識することで、トラブルに巻き込まれるリスクを大幅に減らすことができます。
ひとり旅で注意すべきエリア

一人での旅行では、行動が自由な反面、予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。特に夜間の外出や人通りの少ない場所への訪問は、安全面でのリスクが増すため、可能な限り避けることが望ましいです。
また、公共交通機関の利用時間やルートも慎重に検討し、人目のある場所を通るよう心がけるとさらに安心です。
街灯が少なく、通行人もまばらな通りを歩く際には、常に警戒心を持って行動する必要があります。このような場面では、明るい服装を選ぶことや、防犯ブザーを携帯するなど、できる限り自衛策を講じることが重要です。
安全な旅を実現するためには、交通アクセスが良好で、宿泊施設の評価が高く、治安に関する口コミが良いエリアを選ぶことが何よりも重要です。
さらに、現地の事情をよく知る人のアドバイスを参考にし、事前に下調べをしておくことで、より安心して旅を楽しむことができるでしょう。情報収集には、旅行ブログや現地在住者のSNS、旅行系コミュニティなどの活用も有効です。
女性旅行者にとって安全な街

女性のひとり旅では、安全性の高い都市を選ぶことがとても重要です。
中でも、治安が比較的安定しているペナン島は、街が清潔で落ち着いており、女性旅行者からも根強い人気があります。
歴史的建造物が多く残るジョージタウンでは、多くの人々が行き交うエリアに街灯がしっかり整備されており、夜間でも比較的安心して散策できる環境が整っています。
また、観光客に慣れている現地の人々もフレンドリーで、初めての訪問でも安心感を与えてくれるのが特徴です。
さらに、ジョージタウン内には女性専用の宿泊施設やツアーも増えており、快適さと安全性の両立が図られています。
一方で、露出の多い服装は現地文化とのギャップを生みやすく、時に不要な注目を集めることがあります。そのため、服装には十分に注意し、地域の価値観に配慮することが重要です。
また、夜遅くの一人歩きは思わぬトラブルのリスクを伴うため、可能な限り人通りのある道を選び、時間帯にも気を配ることが求められます。
留学先としての治安評価

マレーシアは英語教育が盛んに行われている国であり、留学先として高い注目を集めています。
質の高い教育機関が多数存在し、授業料も比較的安価であるため、コストパフォーマンスを重視する留学生にとって魅力的な選択肢となっています。
さらに、多民族国家という特性を活かした国際色豊かな環境が整っており、さまざまな文化に触れながら学べる点も大きなメリットです。ただし、すべての地域で治安が均一というわけではなく、安全面での確認は必須となります。
たとえば、クアラルンプールの中心部は交通の便が良く、生活に必要なインフラが整っている一方で、交通事故やスリ、ひったくりといった軽犯罪が発生しやすいエリアでもあります。
このような場所で安心して暮らすためには、滞在先の寮やアパートメントのセキュリティ体制がどの程度整っているか、管理体制がしっかりしているかといった点を入念に確認することが大切です。
また、各学校に設けられている留学生向けのサポート窓口や、トラブル時の対応体制なども、留学生活を安全かつ快適に過ごす上で重要な要素となります。
移住を考えるならどこが安全?

移住を検討している場合は、長期滞在に適しており、かつ治安が安定している地域を選ぶことが非常に重要です。
マレーシアの中でも、マレー半島南部に位置するジョホールバルは、シンガポールと国境を接しており、交通アクセスが良く、インフラ面でも比較的整備が進んでいます。生活に必要な施設が充実していることから、移住先として人気があります。
しかしながら、近年の急速な都市化の進行に伴い、スリやひったくりといった軽犯罪が増加傾向にあるのも事実です。
そのため、移住を前提とした住居探しの段階から、防犯カメラの設置状況や警備体制、周辺の治安情報などをしっかりと確認し、日常生活でのリスクを最小限に抑える努力が必要となります。
さらに、現地での生活にスムーズに適応するためには、地域コミュニティとの関係構築や、治安に関する定期的な情報収集も心がけるとよいでしょう。
都市別にみたマレーシアの治安ランキング
- マレーシアの都市別犯罪指数
- クアラルンプールの治安傾向
- クチンの生活環境と安全度
- コタキナバルとサバ州の治安事情
- ジョホールバルでの治安と暮らし
- ジョージタウン・ペナン島の安全性
- ボルネオ島の自然と治安状況
- トラブル発生時の連絡先
マレーシアの都市別犯罪指数
Numbeoによる都市別犯罪指数ランキング(2025年)
登録380都市中、クアラルンプール、ペナンは、それぞれ67位、302位です。参考に、1位と最下位、大阪、東京を示しています。
<ランク> | <都市> | <犯罪指数> | <安全性指数> |
1 | ピーターマリッツバーグ 南アフリカ | 82.0 | 18.0 |
67 | クアラルンプール マレーシア | 60.5 | 39.5 |
105 | クラン マレーシア | 54.8 | 45.2 |
155 | ジョホールバル マレーシア | 48.7 | 51.3 |
277 | 大阪 日本 | 33.1 | 66.9 |
302 | ペナン マレーシア | 30.3 | 69.7 |
350 | 東京 日本 | 24.7 | 75.3 |
380 | アブダビ アラブ首長国連邦 | 11.6 | 88.4 |
クアラルンプールの治安傾向

マレーシアの首都クアラルンプールは、経済や政治、文化の中心地として多くの人が集まる都市であり、常に国内外からのビジネス関係者や観光客で賑わっています。
このため、スリや詐欺、ひったくりといった軽犯罪が発生しやすい傾向にあり、訪問者は常に警戒心を持って行動する必要があります。
特に、公共交通機関の車内や駅構内、混雑した市場、ショッピングモール、観光名所周辺といった場所では、被害が報告されることが多く、油断は禁物です。
ただし、ここ数年で治安対策は大きく進展しています。警察の巡回体制が強化されたほか、主要なエリアには高性能の防犯カメラが設置され、犯罪の抑止力が高まっています。
さらに、地元行政や警察当局は観光客向けの啓発活動を積極的に行っており、駅や空港、観光案内所などでは多言語対応の安全情報も配布されています。これにより、以前に比べて治安状況は着実に改善しています。
クチンの生活環境と安全度

ボルネオ島のクチンは、落ち着いた雰囲気とフレンドリーな住民で知られており、初めて訪れる人も温かく迎えてくれる町です。
自然に囲まれたこの地域では、都会の喧騒から離れて穏やかに過ごすことができ、リラックスした時間を求める人にとって理想的な場所といえるでしょう。
観光地としての規模は比較的小さいものの、スーパーや病院、公共交通機関、レストランなど、日常生活に必要な施設がコンパクトに整っており、利便性の高い生活環境が整っています。
また、道路も比較的空いていて渋滞が少なく、空気も清潔で、ストレスを感じにくい点も魅力の一つです。地域の人々は親しみやすく、困っている時には自然と助け合う文化が根付いており、住民同士のつながりも強いです。
犯罪発生率もマレーシア国内では比較的低い水準にあり、特に家族連れや高齢者にとっては安心して暮らせる都市として人気が高まっています。
近年では、外国人の長期滞在者も増えており、英語が通じる場面も多く、異文化に対する受け入れ態勢が整っていることも暮らしやすさを後押ししています。
コタキナバルとサバ州の治安事情

コタキナバルは自然豊かな観光都市であり、登山やダイビング、アイランドホッピングなど多彩なアクティビティが楽しめる点で多くの旅行者に人気です。清潔なビーチや豊かな海洋生物にも恵まれており、自然の魅力を存分に味わうことができます。
さらに、都市の周辺には自然保護区や熱帯雨林が広がっており、エコツーリズムの目的地としても注目を集めています。こうした環境の中で、訪問者は癒しと冒険の両方を楽しむことができるでしょう。
一方で、サバ州の一部地域では不法移民の流入や経済格差の影響により、治安の悪化が懸念されることもあります。特に郊外や人通りの少ないエリアでは、窃盗や強盗といった犯罪のリスクが報告されているため、滞在場所の選定には十分な注意が必要です。
また、こうした地域では警察の対応が遅れることもあり、万一のトラブル時には迅速な対処が難しい場合も考えられます。
旅行者は、ホテルや観光施設の評判を事前に確認し、信頼できる交通手段を選ぶとともに、現地での行動計画をしっかり立てることが求められます。
ジョホールバルでの治安と暮らし

ジョホールバルは経済成長が著しく、商業施設や住宅開発が急速に進んでいます。都市の近代化が進むにつれて、ショッピングモールやオフィスビル、複合型の住居などが次々と建設され、都市としての魅力が高まっています。
一方で、人口の増加や都市機能の集中により、スリやバイクによるひったくりといった軽犯罪も目立つようになってきました。
特に、駅やバスターミナル、ショッピングモールといった人の出入りが多いエリアでは、観光客だけでなく地元住民も被害に遭うケースが報告されています。これにより、日常的な移動や買い物の際にも警戒が必要とされる場面が増えています。
居住する場合は、住居選びの段階から防犯意識を持つことが重要です。たとえば、セキュリティゲートの有無、監視カメラの設置状況、夜間警備員の巡回体制など、安全面に配慮された物件を選ぶことで、安心感のある生活環境を整えることができます。
ジョージタウン・ペナン島の安全性

ペナン島のジョージタウンは、歴史ある街並みやユネスコの世界遺産に登録された美しい建築物、美食文化が融合した魅力的な観光地であり、多くの旅行者から高い評価を得ています。
観光客の訪問数は非常に多く、通年を通じてにぎわいを見せていますが、地元住民も観光業に慣れており、訪れる人々にとっては比較的安全で親しみやすいエリアといえるでしょう。
街の中心部には案内所やパトロール警察が常駐しており、旅行者の安心を守るための対策がしっかりと講じられています。観光情報の提供や緊急時のサポート体制も整っており、安心感を持って散策が可能です。
ただし、観光地特有のリスクも存在します。観光客を狙ったスリ、置き引きといった軽犯罪の報告は後を絶たず、人通りの多い繁華街やイベント時の混雑した場所では、特に荷物の管理に注意が必要です。
トラブルが発生した場合には、警察の対応は比較的早く、観光客に対して親身に応じる姿勢が見られます。地元行政は地域の治安維持に力を入れており、監視カメラの設置や街灯の整備といった対策も進められています。
ボルネオ島の自然と治安状況

ボルネオ島全体は手つかずの自然が多く残されており、珍しい動植物が生息する多様性に富んだ環境が広がっています。また、地元の人々は非常に親しみやすく、穏やかでゆったりとした生活リズムの中で訪れる人々を温かく迎えてくれます。
こうした雰囲気は、日常の喧騒を忘れさせる癒やしの要素として、多くの旅行者にとって魅力的に映るでしょう。さらに、自然の中で過ごす体験が心身をリフレッシュさせてくれるため、心の安らぎを求める人には理想的な旅先です。
ただし、山岳地帯やジャングルなど、観光インフラが整備されていない場所も多く存在します。そのようなエリアでは滑落や遭難、野生動物との思わぬ遭遇といった、予想外の事故やトラブルが発生しやすい傾向があります。
特に、体力や経験が不十分な旅行者にとっては、危険を伴う可能性があるため、無理な単独行動は避けるべきです。観光を計画する際には、安全なルートを選び、現地の状況に精通した信頼できるガイドが同行する現地ツアーを選択することが望ましいです。
加えて、服装や装備の準備を入念に行い、天候の急変に備えた対応策を講じることが不可欠です。こうした安全対策をしっかり整えておくことで、自然と共に過ごすボルネオ島での旅行をより一層楽しむことができるでしょう。
トラブル発生時の連絡先
マレーシアで万が一トラブルに巻き込まれた際には、速やかに警察(緊急番号:999)や観光警察に連絡を。英語が通じるケースも多いため、落ち着いて状況を伝えることが大切です。
日本大使館(クアラルンプール)や総領事館(ペナン)にも相談できる体制が整っているため、パスポートの紛失や重大な事件・事故の際には必ず連絡を取りましょう。旅行前に連絡先を控えておくと安心です。
また、たびレジへ登録して、日本人向け安全情報を活用することもおすすめです。
在マレーシア日本国大使館
在ペナン日本国総領事館
たびレジ(外務省 海外安全情報配信サービス)
日本国外務省 海外安全ホームページ
まとめ:マレーシアの治安ランキングと安全な滞在先
記事のポイントをまとめます。
✓ 観光地ではスリや詐欺が多く都市部では警戒が必要
✓ クアラルンプールは犯罪発生率が高く夜間外出は控えるべき
✓ ペナン島・ジョージタウンは女性に人気で比較的安全な街
✓ クチンは治安が安定しており長期滞在に適している
✓ コタキナバル周辺は自然豊かだが郊外では注意が必要
✓ ジョホールバルは利便性が高いが軽犯罪が増加傾向
✓ 留学先としては安全な地域選びと学校の支援体制が鍵
✓ ひとり旅は夜間外出と人通りの少ない道を避けるべき
✓ ボルネオ島では自然環境に起因するリスクに備える必要がある
✓ 都市によって治安状況に差があり事前調査が重要
✓ 防犯意識の高い宿泊施設を選ぶことが安全確保の基本
✓ 街灯や人通りの多さが安全な移動ルートの目安となる
✓ 現地の文化や価値観を尊重した行動がトラブル防止につながる
✓ SNSや旅行ブログでの情報収集が安全対策に有効
✓ 最新の治安情報を確認し柔軟に行動計画を調整すべき