
カンボジアへの旅行を計画する際、多くの方が最初に気になるのが、カンボジア観光の費用ではないでしょうか。
神秘的なアンコールワット遺跡群をはじめ、魅力あふれるこの国を存分に楽しむためには、しっかりとした予算計画が欠かせません。
この記事では、旅行に最適なベストシーズンや、人気の観光地を巡るには何日くらい必要なのか、といった基本的な疑問から、航空券やホテル代、現地での食費、交通費まで、費用に関するあらゆる情報を具体的な金額を交えながら分かりやすくガイドします。
記事のポイント
- カンボジア旅行に必要な費用の総額と詳しい内訳
- 3泊5日や4泊6日など滞在日数ごとにかかる予算の目安
- 航空券やホテル代を賢く抑えるための具体的な節約術
- 初心者でも失敗しない、満足度の高い旅行計画の立て方
カンボジア観光費用の相場と内訳を解説
- 観光には何日くらいの日程が必要?
- 旅行のベストシーズンと安い時期
- 定番の人気観光地ランキングを紹介
- ひとり旅でかかる費用の目安
- 初心者でも安心の予算計画のコツ
観光には何日くらいの日程が必要?

カンボジア旅行を計画する上で、最初に考えるべきは滞在日数です。結論から言うと、アンコールワット遺跡群のあるシェムリアップ観光をメインにするなら、3泊5日の日程が最も一般的で、満足度も高いと考えられます。
この日数があれば、世界遺産のアンコールワットやアンコールトムといった主要な遺跡を、急ぐことなくじっくりと見て回ることが可能です。また、市内での食事やナイトマーケットでの買い物など、シェムリアップの街の雰囲気も楽しむ時間も確保できるでしょう。
一方で、もし首都プノンペンまで足を延ばしたり、ベンメリアのような郊外の遺跡にも訪れたい場合は、4泊6日以上の日程を確保することをおすすめします。都市間の移動には半日ほどかかるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
タイやベトナムといった周辺国との周遊旅行を考えているのであれば、カンボジアでの滞在に少なくとも3〜4日を割り当て、全体で1週間以上の日程を計画すると、より充実した旅になります。
旅行のベストシーズンと安い時期

カンボジア旅行の満足度を大きく左右するのが、訪れる時期です。気候や費用の観点から、ベストシーズンと安い時期を知っておくことが、計画を立てる上で非常に役立ちます。
ベストシーズン(11月~2月)
カンボジア旅行のベストシーズンは、乾季にあたる11月から2月頃です。この時期は雨が少なく晴天の日が続くため、遺跡巡りを快適に楽しめます。気温も比較的涼しく、平均して25度前後と過ごしやすいのが大きな魅力です。
特に、アンコールワットのハイライトである朝日や夕日の鑑賞を目的とするなら、空気が澄んでいるこの時期が最も美しい光景に出会える可能性が高まります。
ただし、ベストシーズンは世界中から観光客が集まるため、ホテルの予約は早めに行うのが賢明です。
安い時期(6月頃)
旅行費用をできるだけ抑えたい方には、雨季にあたる6月頃がおすすめです。この時期はオフシーズンとなるため、航空券やホテルの価格が安くなる傾向にあります。日本の祝日とも重ならないため、比較的費用を抑えて旅行を計画できるでしょう。
雨季というと一日中雨が降るイメージがあるかもしれませんが、カンボジアの雨季は短時間に激しいスコールが降るのが特徴で、その後は晴れ間が広がることも少なくありません。
また、雨季ならではのメリットとして、観光客が少なく混雑を避けられる点や、雨を受けて木々の緑が一層鮮やかになり、遺跡が神秘的な雰囲気に包まれる点が挙げられます。暑さ対策と雨具の準備は必要ですが、費用を重視するなら魅力的な選択肢と言えるでしょう。
定番の人気観光地ランキングを紹介
カンボジアには数多くの魅力的な観光スポットがありますが、特にシェムリアップ周辺には見逃せない遺跡が集中しています。ここでは、必ず訪れたい定番の観光地をランキング形式で紹介します。
1位:アンコールワット

カンボジアの象徴であり、世界最大の石造寺院として知られるアンコールワットは、訪れる誰もがその壮大さに圧倒されるでしょう。
クメール建築の最高傑作とされ、緻密なレリーフや美しいシンメトリーの構造は、どこを切り取っても絵になります。特に、聖池に映る朝日を背景にした寺院のシルエットは、一生に一度は見ておきたい絶景です。
2位:アンコールトム

アンコールワットの北に位置するアンコールトムは、かつてのクメール王朝の王都です。
城壁に囲まれた広大な敷地内には、「クメールの微笑み」として知られる四面像が並ぶバイヨン寺院をはじめ、象のテラスやライ王のテラスなど、数多くの見どころが点在しています。一つ一つの遺跡が持つ独特の雰囲気を楽しみながら、ゆっくりと散策するのがおすすめです。
3位:タ・プローム

巨大なガジュマルの樹木が遺跡に絡みつき、自然の力強さを感じさせるタ・プロームは、映画「トゥームレイダー」のロケ地としても有名になりました。
まるで時が止まったかのような神秘的な光景は、他の遺跡とは一線を画す魅力を持っています。あえて過度な修復を行わず、発見当時に近い姿で保存されているため、冒険心をくすぐられること間違いありません。
これらの主要な遺跡を訪れるには、「アンコールパス」という共通入場券が必要です。滞在日数に合わせて券種を選びましょう。
アンコールパスの種類 | 料金(2025年現在) | 有効期間 |
1日券 | 37USドル | 1日 |
3日券 | 62USドル | 10日間のうち任意の3日 |
7日券 | 72USドル | 1ヶ月間のうち任意の7日 |
ひとり旅でかかる費用の目安

カンボジアはひとり旅にも人気の旅行先です。自分のペースで自由に観光を楽しめるのが魅力ですが、費用はどのくらいかかるのでしょうか。3泊5日の日程で、バックパッカースタイルよりは少し快適さを重視した場合、総額で12万円前後からが費用の目安となります。
内訳としては、航空券が約7万円、宿泊費が約1.5万円、現地での食費や交通費、観光費用が約3.5万円といったところです。宿泊費は、ホステルやゲストハウスのドミトリー(相部屋)を選べば1泊1,000円程度から見つかりますが、プライベートな空間を確保したい場合は1泊3,000円以上のゲストハウスやリーズナブルなホテルを検討すると良いでしょう。
ひとり旅で費用がかさみやすいのが、トゥクトゥクのチャーター代などの交通費です。複数人であれば割り勘できますが、一人の場合は全額自己負担となるため、少し割高に感じることがあります。
同じホステルに宿泊している旅行者と交渉して、遺跡巡りをシェアするなどの工夫で費用を抑えることも可能です。
また、安全面への配慮も大切です。特に夜間の一人歩きは避け、貴重品の管理を徹底するなど、基本的な注意を怠らないようにしましょう。
初心者でも安心の予算計画のコツ

初めてカンボジアを訪れる方にとって、予算計画は少し難しく感じるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを押さえるだけで、安心して旅行の準備を進めることができます。
まず、カンボジアでは自国通貨のリエル以上に、アメリカドル(USドル)が広く流通していることを知っておくことが大切です。
ホテル、レストラン、観光地の入場料など、ほとんどの支払いはUSドルで行われます。そのため、日本からはUSドルを準備していくのが基本です。
特にお釣りがリエルで返ってくることが多いため、1ドル、5ドル、10ドルといった小額紙幣を多めに用意しておくと、支払いがスムーズになります。
次に入国に必要なビザの取得費用も予算に含めておきましょう。日本のパスポートで観光目的で入国する場合、ビザが必要です。シェムリアップなどの国際空港で到着時に取得できる「アライバルビザ」が便利で、費用は30USドルです。
また、旅行全体の費用を明確にしたい初心者の方には、航空券とホテル、主要な観光がセットになったパッケージツアーの利用も一つの手です。
個人で手配するよりも少し割高になる可能性はありますが、費用の計算が簡単で、現地での移動やチケット購入の手間が省けるという大きなメリットがあります。個人手配の自由度と、ツアーの安心感や利便性を比較し、自分の旅行スタイルに合った方法を選びましょう。
滞在日数で変わるカンボジア観光費用

- 航空券とホテル代の料金相場
- 現地での食費や交通費はどのくらい?
- ツアーやアクティビティにかかる費用
- お土産代やその他の雑費について
- 旅行費用を賢く抑える節約術
- まとめ:カンボジア観光費用を把握して旅を計画
航空券とホテル代の料金相場
カンボジア旅行の総費用の中で、最も大きな割合を占めるのが航空券とホテル代です。これらの費用は、旅行の時期や利用する航空会社、ホテルのグレードによって大きく変動します。
航空券の料金相場
現在、日本からカンボジアへの直行便は運航されていないため、ベトナムやタイ、シンガポールなどの第三国を経由するのが一般的です。航空券の価格は、経由地や航空会社、そして旅行時期によって大きく変わります。
時期 | 航空券の相場(往復・エコノミークラス) |
安い時期(6月など) | 約60,000円 ~ 90,000円 |
高い時期(年末年始・GW) | 約100,000円 ~ 170,000円 |
LCC(格安航空会社)を利用すれば費用を抑えることが可能ですが、乗り継ぎ時間が長くなったり、手荷物の制限が厳しかったりする場合があるので、予約前によく確認することが求められます。
ホテル代の料金相場
カンボジアは日本と比較して物価が安いため、ホテル代も非常にリーズナブルです。限られた予算でも快適な滞在が可能なほか、少し奮発すれば日本ではなかなか泊まれないような高級ホテルでの滞在も夢ではありません。
シェムリアップを例に、ホテルのグレード別の料金相場を紹介します。
ホテルのグレード | 料金相場(1泊1室2名分) |
リーズナブルなホテル | 約5,000円前後 |
スタンダードホテル | 約7,000円 ~ 15,000円前後 |
高級ホテル | 約20,000円 ~ |
上記はあくまで目安です。宿泊予約サイトのセールなどを活用すれば、さらに安く予約できることもあります。
現地での食費や交通費はどのくらい?

現地で必要になる費用の中心は、食費と交通費です。カンボジアの物価は日本より安いですが、どこで何をするかによって、かかる費用は大きく変わってきます。
食費の目安
食費は、1日あたり2,000円から3,000円程度を見込んでおくと良いでしょう。ローカルな屋台や食堂を利用すれば、1食200円ほどでお腹いっぱいになることも可能です。カンボジアの伝統料理「アモック」や米麺の「クイティウ」など、安くて美味しいグルメがたくさんあります。
一方で、観光客が多く集まるパブストリート周辺のレストランや、ホテルのレストランで食事をする場合は、1食1,000円以上かかることも珍しくありません。
予算を抑えたい日はローカルフードを楽しみ、特別な日はお洒落なレストランでディナーをするなど、メリハリをつけると食の楽しみが広がります。
交通費の目安
シェムリアップ市内の移動は、「トゥクトゥク」と呼ばれる三輪タクシーが最もポピュラーな交通手段です。料金は交渉制で、市内の数キロの移動であれば3USドル前後が相場です。
アンコール遺跡群を巡る際は、トゥクトゥクを半日または1日チャーターするのが一般的です。
チャーター料金も交渉次第ですが、アンコールワットを含む小回りコースで15〜20USドル、大回りコースで20〜25USドル程度が相場となります。朝日鑑賞を追加する場合は、早朝料金として追加で5USドルほどかかります。
近年では、「Grab」や「PassApp」といった配車アプリも普及しており、これらを利用すれば事前に料金が確定するため、交渉の手間がなく安心して利用できます。
ツアーやアクティビティにかかる費用

カンボジアの魅力を最大限に味わうためには、オプショナルツアーやアクティビティへの参加がおすすめです。特に、広大なアンコール遺跡群を効率よく、そして深く理解するためには、ガイド付きのツアーが非常に役立ちます。
アンコール遺跡群を1日で巡る日本語ガイド付きのツアーは、昼食込みで1人あたり約1万円からが相場です。朝日鑑賞や夕日鑑賞が含まれるプランや、伝統舞踊のアプサラダンスショー付きのディナーが含まれるプランなど、内容はさまざまです。
前述の通り、遺跡観光には「アンコールパス」が必須ですが、ツアー料金にこのパスの代金が含まれているか否かは、プランによって異なるため予約時に必ず確認しましょう。
シェムリアップ郊外にも魅力的なスポットは多くあります。密林に眠る遺跡「ベンメリア」や、水上生活者の村を見学できる東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」への半日ツアーなども人気で、それぞれ5,000円前後から参加可能です。
これらの場所は個人で行くには交通手段の確保が少し大変なため、ツアーを利用するのが効率的で安心と言えます。
お土産代やその他の雑費について

旅行の記念となるお土産選びも楽しみの一つです。その他、ビザ取得費用や海外旅行保険など、見落としがちな雑費についてもあらかじめ予算に組み込んでおきましょう。
お土産代の目安
お土産にかかる費用は個人差が大きいですが、3,000円から5,000円程度を見ておくと十分でしょう。シェムリアップのナイトマーケットやオールドマーケットでは、手頃な価格でカンボジアらしい雑貨が見つかります。
人気の土産物としては、ヤシ砂糖を使った「アンコールクッキー」、万能布の「クロマー」、高品質な「カンポットペッパー」、シルク製品などがあります。価格は交渉できる場合が多いので、買い物を楽しんでみてください。
その他の雑費
- ビザ取得費用: 前述の通り、カンボジア入国には観光ビザが必要です。空港で取得するアライバルビザは30USドルです。事前にオンラインでe-VISAを取得する場合は36USドルかかります。
- 海外旅行保険: カンボジアの医療水準は日本と異なるため、万が一の病気や怪我、盗難に備えて海外旅行保険への加入は必須です。3泊5日の旅行で1,500円から3,500円程度が相場となります。クレジットカードに付帯している保険を利用する場合は、補償内容や適用条件を事前に確認しておきましょう。
旅行費用を賢く抑える節約術

少しの工夫で、カンボジア旅行の費用は大きく抑えることができます。ここでは、誰でも実践できる具体的な節約術を3つ紹介します。
1. 安い時期(オフシーズン)を狙う
最も効果的な節約術は、旅行する時期を選ぶことです。航空券やホテル代が最も高騰する年末年始やゴールデンウィークを避け、雨季にあたる6月などのオフシーズンを狙うことで、旅費の大部分を占めるこれらの費用を大幅に削減できます。
雨季といっても一日中雨が降り続くわけではなく、観光客が少ないため、ゆったりと遺跡を見学できるというメリットもあります。
2. 航空券とホテルがセットのツアーを利用する
個人で手配するよりも、航空券とホテルがセットになったフリープランのツアーの方が安くなる場合があります。
特に旅行会社がセールを行うタイミングを狙えば、驚くほどお得な価格で予約できることもあります。予約は一括で済み、手間が省けるのも魅力です。旅行計画を始めたら、各社のセール情報をこまめにチェックしてみることをおすすめします。
3. 食事はローカルフードに挑戦する
食費は、工夫次第でかなり節約できる項目です。観光客向けのレストランは価格設定が高めですが、地元の人々が利用する屋台やローカル食堂に足を運べば、1食200円前後で美味しいカンボジア料理を味わえます。
衛生面が気になるかもしれませんが、多くの人で賑わっているお店を選ぶのが、美味しくて安全なお店を見分けるコツです。現地の雰囲気を肌で感じながら、ローカルグルメに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ:カンボジア観光費用を把握して旅を計画
この記事では、カンボジア観光に必要な費用について、さまざまな角度から解説しました。最後に、旅行計画を立てる上で重要なポイントをまとめます。
✓ 3泊5日のシェムリアップ旅行なら総額12万円からが目安
✓ 旅行のベストシーズンは乾季の11月から2月
✓ 費用を抑えたいなら雨季の6月頃が狙い目
✓ アンコールワット観光には3泊5日以上の日程がおすすめ
✓ 主要遺跡の観光にはアンコールパス(1日券37ドル~)が必須
✓ 航空券の相場は安い時期で6万円、高い時期は10万円以上
✓ ホテルは物価が安く1泊5,000円前後から快適な宿が見つかる
✓ 食費は1日2,000円から3,000円、ローカルフードなら更に安く済む
✓ 市内の交通手段はトゥクトゥクが主流で料金は交渉制
✓ 遺跡巡りはトゥクトゥクの1日チャーターが便利
✓ 配車アプリのGrabやPassAppの利用もおすすめ
✓ 支払いにはUSドルが広く使われるため小額紙幣の準備を
✓ 入国には観光ビザ(アライバルビザ30ドル)が必要
✓ 万が一に備え海外旅行保険には必ず加入する
✓ 費用を抑えるにはオフシーズンを狙うのが最も効果的