
ラオスへの旅行を検討しているものの、ラオスの治安は悪いのでは、と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
のんびりとした国民性と豊かな自然が魅力のラオスですが、地域によっては注意すべき治安リスクも存在します。本記事では、外務省の危険レベルや世界平和度指数のデータをもとに、ラオスの治安状況を詳しく解説します。特に旅行者が巻き込まれやすいトラブルや、女性が気を付けるべきポイント、安全なエリアの選び方など、初めての方でも安心して旅の準備ができる情報をまとめました。
記事のポイント
- ラオスの治安が悪いとされる具体的な地域
- 観光中に遭遇しやすい犯罪の手口と対策
- 女性旅行者が注意すべき行動や服装
- 安全に旅行するための都市選びと移動手段
ラオスの治安は悪いって本当?
- 世界平和度指数から見るラオス
- 最新の危険レベルと地域情報
- 治安が悪いとされる要注意エリア
- 夜の街で起こりやすいトラブル
- 女性旅行者が巻き込まれやすい犯罪
- 観光中に注意したい防犯ポイント
世界平和度指数から見るラオス

実際、ラオスは2024年の世界平和度指数において、登録163か国中49位という順位に位置しています。このランキングはテロのリスク、犯罪率、軍事的な安定性、社会の安全性、外交関係など複数の要因を元に算出されており、各国の治安レベルを客観的に評価するための参考になります。
つまり、ラオスは命の危険が高い国ではないものの、軽犯罪に対する注意は必要な国といえます。暴力的な事件が少ない一方で、スリやひったくり、詐欺といった旅行者を狙った軽犯罪は発生しているため、楽観的な気持ちで旅行をすることは避けるべきです。
世界平和度指数(2024年)
<ランク> | <国> | <スコア> | <平和度> |
1 | アイスランド | 1.112 | 非常に高い |
17 | 日本 | 1.525 | 高い |
49 | ラオス | 1.861 | 高い |
163 | イエメン | 3.397 | 非常に低い |
世界平和度指数については、以下のページを参照してください。
最新の危険レベルと地域情報

外務省の海外安全ホームページには、各地域の危険度レベルや発生している事件の傾向が詳細に掲載されているため、非常に参考になります。
ラオスには危険度レベル1(十分注意)とレベル2(不要不急の渡航中止)の地域が存在します。
例えば、首都ビエンチャンや観光地であるルアンパバーンはレベル1に該当し、一般的に観光が可能な地域とされています。これらの地域では比較的落ち着いた雰囲気が保たれており、多くの旅行者が訪れています。
一方で、サイソンブン県全域やシェンクワン県の一部ではレベル2が発令されており、反政府勢力の活動や銃撃事件、過去の爆発事件などの報告が継続的にあります。
こうした地域では、外国人旅行者が巻き込まれるリスクも否定できません。現地の情勢が突発的に変化することもあるため、詳細情報の収集と判断が欠かせません。
このため、旅行前には必ず最新の危険レベルを確認することが重要です。できれば渡航前に外務省の「たびレジ」に登録し、安全情報の受け取り体制を整えておくと、より安心して旅行が楽しめるでしょう。
治安が悪いとされる要注意エリア

ラオス旅行においては特定地域の治安情報に特に注意が必要です。代表的な危険地域には、サイソンブン県全域、シェンクワン県との県境地域が挙げられます。
これらの地域では、過去に政府軍と反政府勢力の衝突や襲撃事件が複数発生しており、現在でも緊張状態が続いていることがあります。さらに、一部では軍による検問や、移動制限などが設けられているケースもあります。
例えば、外国人が巻き込まれた銃撃事件や、山岳地帯での地雷による被害が報告されているため、旅行者にとっては特にリスクが高いといえます。こうした事件は突発的に発生する可能性があるため、現地の最新情報に常に目を向けておく必要があります。
また、これらの地域は自然が美しく魅力的である一方、警備体制が不十分であったり、緊急対応が難しい地理的条件が重なっていることもリスク要因の一つです。
いくら自然が豊かな場所であっても、安全が確保されていない以上、不測の事態を避けるために訪問は控えるべきでしょう。現地の事情に精通したガイドがいない限り、安易に足を踏み入れるのは危険といえます。
夜の街で起こりやすいトラブル

人通りの少ない道や照明が不十分なエリアでは、ひったくりや昏睡強盗、スリといった犯罪が起こりやすくなります。人目につきにくい場所では、犯人が狙いを定めて行動しやすいため、注意が必要です。
例えば、知らない人に声をかけられて一緒に飲食をし、その飲み物や料理に薬物を盛られて意識を失い、財布やスマートフォンを奪われるという事例も確認されています。
こうした犯行は外国人旅行者をターゲットにしており、言葉の壁や土地勘のなさに付け込む傾向があります。
また、ひったくりはバイクに乗った犯人がスピードを出してすれ違いざまにバッグを奪うという手口が多く、転倒によって怪我をするケースもあります。
このため、夜に外出する際は必ず複数人で行動することが望ましいです。可能であれば、徒歩ではなく信頼できるタクシーを利用し、乗車前に目的地と料金を明確にしておくことがトラブル回避につながります。
さらに、人気のない道を避けて明るく人通りのある場所を選び、周囲の状況に常に気を配ることが重要です。
女性旅行者が巻き込まれやすい犯罪

女性旅行者は犯罪のターゲットになりやすい傾向があります。とくに単独行動をしている場合、スリやひったくりの被害に遭うケースが多く報告されています。
バッグを肩からかけていた女性がバイクに乗った犯人に奪われそうになり、転倒して負傷する事例も確認されています。
また、現地男性からの過度な接触や勧誘も問題となっています。親しげに声をかけてくる人物が、最終的に詐欺や昏睡強盗に関与していたというケースもあります。
現地では、外国人女性に対して「恋愛目的」で近づこうとする男性も多く、不快な思いをするだけでなく、危険な状況に陥る可能性も否定できません。
これを防ぐには、露出を控えた服装を心がけたり、不審な誘いには乗らないようにすることが効果的です。さらに、カフェやレストランで1人になったときでも、飲み物から目を離さない、荷物をテーブルの足に結びつけておくなどの自衛策も重要です。
前述の通り、夜間の一人歩きは避けるようにしましょう。また、可能であれば夜間の外出はタクシーを利用し、明るい大通りを選んで移動するよう心がけると安心です。
観光中に注意したい防犯ポイント

ラオス観光を安全に楽しむためには基本的な防犯対策が不可欠です。
たとえば、貴重品は肌身離さず持つ、バッグはたすき掛けにする、外出時は宿にパスポートを預けるなど、シンプルながら効果的な方法があります。さらに、バッグは外側にチャックのあるものを選び、財布などの貴重品を奥に収納しておくと安心です。
また、レストランやカフェなどで席を離れる際に、テーブルにスマートフォンや財布を置きっぱなしにすることは避けましょう。防犯意識を常に持っておくことが、被害の回避につながります。
さらに、知らない人からしつこく話しかけられた場合には無視するのが安全です。特に、言葉巧みに近づいてくる人物には注意し、不自然な親切やプレゼントの申し出なども警戒するべきです。
旅行中は気が緩みがちですが、日常以上に慎重な行動を意識することで、トラブルに巻き込まれるリスクを減らすことができます。
ラオスで治安の悪い場所を避けるには
- 治安の良い都市を紹介
- 夜間の移動時に避けるべき行動
- 女性が気をつけたい夜の服装と対策
- 観光スポットごとの安全度の違い
- トラブル時に役立つ連絡先と対処法
治安の良い都市を紹介

たとえ治安の悪い地域が存在するとしても、比較的安全な都市を選べばリスクは減らせます。
観光客に人気のルアンパバーンは平和な雰囲気が特徴で、事件も少ないとされています。市内の多くのエリアは観光客向けに整備されており、文化的な名所やマーケットも徒歩圏内にまとまっているため、移動に関する不安が少ないのも利点です。
次いでビエンチャンの中心地や、ヴァンビエンの観光エリアも比較的安心です。
ビエンチャンでは大通りや観光名所周辺に限れば、警察の目も届きやすく、比較的安全な環境が保たれています。
ヴァンビエンにおいては、自然の中でアクティビティを楽しめる点が魅力ですが、中心地の宿泊エリアを選ぶことで、治安面のリスクを最小限に抑えることができます。
さらに、ホテルや飲食店が集まる地区は警察の巡回もあり、犯罪の発生率が低めに保たれています。こうした地域では、夜でも比較的明るく、人通りもあるため、女性や家族連れでも過ごしやすいという評価があります。
夜間の移動時に避けるべき行動

夜間の移動には十分注意が必要です。夜道を徒歩で移動することや、不特定多数の人が利用するバスに乗ることは避けましょう。特に人通りの少ない場所では、スリや強盗のリスクが高くなります。
また、ラオスの長距離夜行バスには整備不良の車両や、山賊によるリスクが伴う場合があります。万が一トラブルが起きても、深夜では対応が遅れる恐れがあるため、利用は控えた方が安全です。
安心して移動するためには、空路や信頼できるホテルの送迎サービスを利用するのが理想的です。送迎の際には、事前にドライバーの情報を把握しておくとさらに安心です。
移動はできるだけ複数人で行い、タクシーでは目的地をあらかじめ明示しましょう。言葉に不安がある場合は、目的地を紙に書いて渡す方法も有効です。
夜の移動は極力避け、明るい時間帯のうちに行動を終えるのが賢明です。
女性が気をつけたい夜の服装と対策

ラオスは敬虔な仏教国であるため、露出の多い服装は控えるのがマナーです。特に寺院や地方に出向く際は、肩や膝を隠す服装が求められます。
観光地では多少カジュアルな装いでも問題ない場合がありますが、寺院では神聖な空間とみなされるため、服装に対してより厳格なマナーが期待されます。
また、夜の外出時は派手な装いや香水を避けることで、現地男性から不必要な注目を集めにくくなります。特に一人歩きや女性グループでの行動時には、目立たない格好を心がけることで、周囲との不要なトラブルを未然に防ぐことができます。
アクセサリーの多用やきらびやかなメイクも控えめにすると安心です。さらに、長袖の薄手シャツやロングスカートなどを活用することで、日差しや虫刺され対策にもなり、結果的により快適な旅を楽しむことができます。
自衛の意識を持つことが、結果的にトラブルの回避につながります。
観光スポットごとの安全度の違い

観光地によって安全性に違いがあります。ルアンパバーンやクアンシーの滝は整備が行き届いており、警察の巡回も行われているため比較的安全です。観光インフラがしっかり整っており、道路状況や公共施設の管理状態も良好です。
現地住民の観光客への対応も丁寧で、安心して訪れやすい場所とされています。また、中心地では英語が通じる施設も増えており、言語面での不安も軽減されています。
一方、ビエンチャンの裏路地やナイトスポット周辺では、夜間にひったくりやスリが起こることがあります。
日中は穏やかな雰囲気であっても、夜になると照明が乏しく、人通りが減ることでリスクが高まります。特にバーやナイトクラブの周辺では、酔客や不審者との接触によるトラブルも報告されています。
人気スポットでも時間帯や同行者の有無によってリスクが大きく変わります。たとえば、日中であれば賑わう観光名所も、夜になると人気がなくなる場所も少なくありません。
そのため、夜間は控えめな行動を心がけ、必要に応じて信頼できるガイド付きツアーを利用することが、安全に観光を楽しむための有効な手段です。
また、観光前に口コミや旅行情報サイトで最新の治安情報を確認しておくとより安心です。
トラブル時に役立つ連絡先と対処法

トラブルが発生した場合に備えた連絡先の把握は必須です。スマートフォンに緊急連絡先を登録しておくと、万一のときにも迅速に対応できます。
また、たびレジへの登録や、現地の日本人向け安全情報を活用することもおすすめです。
在ラオス日本大使館
たびレジ(外務省 海外安全情報配信サービス)
日本国外務省 海外安全ホームページ
まとめ:ラオスの治安は悪いのか?旅行前に知っておきたい15の要点
記事のポイントをまとめます。
✓ ラオスは世界平和度指数で49位と比較的安全な国に分類される
✓ 軽犯罪が発生しており、楽観的な旅行は避けるべき
✓ 首都ビエンチャンやルアンパバーンは治安レベル1で観光可能
✓ サイソンブン県やシェンクワン県の一部は危険レベル2に指定されている
✓ 反政府勢力の活動地域では銃撃や爆発事件の報告もある
✓ 夜の街ではひったくりや昏睡強盗などの被害が起こりやすい
✓ 外国人旅行者は言葉の壁を狙われやすいため警戒が必要
✓ 女性旅行者は単独行動を避けることでリスクを下げられる
✓ 服装や行動で不必要な注目を集めない工夫が必要
✓ 観光中は荷物や貴重品の管理を徹底することが重要
✓ 治安が比較的良い都市を選んで旅行するのが賢明
✓ 夜間の徒歩移動や長距離バスの利用は避けた方がよい
✓ 明るい時間帯に行動を終えることで安全性が高まる
✓ 人気観光地でも時間帯により安全度が変化する
✓ 緊急連絡先の把握と「たびレジ」の登録がトラブル時の備えになる