
ベトナム旅行や出張を控えている皆さん、準備は順調ですか。
最近、ネットやSNSでベトナムの税関が厳しいという噂を耳にして、不安に感じている方も多いかもしれませんね。せっかくの海外旅行なのに、空港で足止めを食らったり、大事な持ち物を没収されたりするのは絶対に避けたいところです。
特に2025年に入ってから、ベトナムでは電子タバコの持ち込みが完全に禁止されるなど、ルールが一段と厳格になっています。また、ベトナムの税関ではお酒やタバコの免税範囲、さらには現金持ち込みの申告に関してもかなり細かくチェックされる傾向があるようです。
この記事では、私が調べた最新の規制情報をもとに、トラブルを防ぐための具体的なポイントをまとめました。渡航前に一読して、安心な旅の準備に役立ててくださいね。

記事のポイント
- 2025年から施行された電子タバコや加熱式タバコの全面禁止ルールの詳細
- 現金や貴金属を持ち込む際の申告基準と忘れた場合の没収リスク
- お酒やタバコ、医薬品を持ち込む際に守るべき免税範囲と必要書類
- 中古品の持ち込み制限やiPhoneなど高額電子機器への課税ルール
ベトナムの税関が厳しいと言われる背景と最新の規制
ベトナムの玄関口である空港の税関検査は、以前よりもデジタル化が進み、チェックの精度が上がっています。ここでは、なぜ今「ベトナムの税関は厳しい」と話題になっているのか、その背景と2025年の最新ルールについて見ていきましょう。
ベトナム入国時の現金持ち込み制限と申告基準
ベトナムに入国する際、手持ちの現金が一定額を超えると税関申告が必要になります。これはマネーロンダリング防止や自国通貨の安定が目的ですが、知らずに通過しようとしてトラブルになるケースが非常に多いんです。

基準となる金額は以下の通りです。この金額は「1人あたり」の合計額なので、家族分をまとめて一人が持っている場合などは、合計額が基準を超えていないか特に注意してくださいね。
もし夫婦で10,000ドル持っているなら、一人ずつ5,000ドルずつ分けるか、あるいは代表者がきちんと申告を行う必要があります。
| 項目 | 申告が不要な範囲 | 申告が必要な基準 |
|---|---|---|
| 外貨(米ドル等合算) | 5,000 USD相当未満 | 5,000 USD相当以上 |
| ベトナムドン(VND) | 1,500万 VND未満 | 1,500万 VND以上 |
| 貴金属(金など) | 300g 未満 | 300g 以上 |
金額はあくまで一般的な目安ですが、為替レートの変動もあるため、ギリギリの額を持っている場合は早めに申告しておくのが無難です。特に日本円で持ち込む場合、その日のレートで5,000ドル相当を超えていないか計算しておくことが大切です。
なお、正確な最新情報は公式サイトや大使館の案内を必ず確認するようにしてください。(出典:在ベトナム日本国大使館「ベトナム入出国時の税関申告」)
なぜ申告が必要なのか?
ベトナム当局は、不法な資本の流出入を非常に警戒しています。申告をせずに基準額以上の現金を持ち込もうとすると、税関職員から「意図的な資産隠匿」とみなされる恐れがあります。
申告自体は難しい手続きではなく、税関申告書に金額を記入し、職員の確認印をもらうだけです。この印鑑が押された書類は、ベトナム国内の銀行で外貨を預け入れたり、出国時に現金を再び持ち出したりする際の「正当な所持」を証明する唯一の手段となります。
5000ドルを超える外貨の所持と没収リスク
もし、5,000米ドル相当以上の現金を持っているのに申告せずに見つかってしまったらどうなるか。残念ながら、超過分がその場で没収されるという厳しい処分が待っています。
さらに悪質な場合は、没収だけでなく高額な罰金が科されたり、事情聴取のために拘束されたりすることもあり得ます。
「バレないだろう」という甘い考えは禁物です。最近のベトナムの空港(ハノイのノイバイ空港やホーチミンのタンソンニャット空港など)では、預け入れ荷物だけでなく手荷物のX線検査も非常に高性能になっています。抜き打ち検査で見つかる確率は決して低くありません。
特に注意が必要なのが「出国時」です。入国時に申告をしていなかった場合、たとえそれが日本から持ってきたお金であっても、5,000ドルを超えて持ち出すことは原則できません。
この際、入国時の申告書の控えがないと、超過分をベトナム国内に残していくか、没収されるかの二択を迫られることになります。ビジネスで多額の現金を扱う方は、必ず入国時のプロセスを徹底してください。

また、ベトナムドンについても1,500万ドン(約9万円弱)という比較的低いラインが設定されています。現地で余ったお金を持ち帰る際にもこのルールが適用されるため、空港での最後のお買い物などで調整するか、基準内であることを確認しておきましょう。
2025年から施行された電子タバコの全面禁止

ベトナム渡航者にとって2025年最大の衝撃とも言えるのが、電子タバコおよび加熱式タバコの全面禁止です。これは2024年11月にベトナム国民議会で決議された「2025年1月1日からの施行」に基づくもので、公衆衛生の保護という名目のもと、かなり強力に推進されています。
これまでは、通常の紙巻きタバコと同じように、200本相当のカートリッジであれば持ち込めていた時期もありました。しかし、現在は「製造・販売・輸入・保管・輸送・使用」のすべてが禁止という扱いになっています。観光客が自分用に持っているだけであっても、それは「違法な輸入」または「不法な所持」とみなされるわけです。
空港の税関では、手荷物スキャンの際に電子タバコのデバイス(本体)特有の形状やバッテリーを重点的にチェックしています。リキッドやカートリッジだけを隠し持つのもリスクが高いですね。
ベトナムの若者の間での流行や健康被害を懸念した政府の決定なので、例外は認められないと考えたほうがいいでしょう。愛好家の方には非常に厳しい状況ですが、2025年以降のベトナム旅行では、電子タバコは日本に置いていくのが唯一の正解かなと思います。
アイコスや加熱式タバコの持ち込みによる罰則
「アイコス(IQOS)はリキッドじゃないから大丈夫だろう」「1台だけなら見逃してくれるはず」という理屈は残念ながら通用しません。
ベトナムの規制対象には、Vapeのような液体タイプだけでなく、アイコスやglo、プルーム・テックといった「加熱式タバコ(Heated Tobacco Products)」もすべて含まれています。
具体的な罰則についても、2025年以降は強化される方針です。ベトナム保健省の提案によれば、使用だけでも罰金が科されるほか、持ち込みや輸送についてはさらに重い行政処分や刑事責任が問われる可能性があります。
電子タバコ持ち込みのリスクまとめ
- 没収: 発覚した時点で即座に没収・破棄されます。
- 罰金: 使用した場合、100万〜200万ドン(約6,000円〜12,000円)程度の罰金が科される可能性があります。
- 入国拒否や拘束: 大量に所持している場合、転売目的とみなされ、より深刻な法的措置の対象となります。
在ベトナム日本国大使館も、2025年1月1日以降の規制について強い注意喚起を行っています。「知らなかった」では済まされないのが海外の法律です。
せっかくの旅行が、空港到着直後のトラブルで台無しにならないよう、加熱式デバイスをお持ちの方はくれぐれも注意してくださいね。最近は空港内の喫煙所でも、電子タバコを使っていると周囲から通報されたり、警備員に厳しく注意されたりすることもあるそうです。
免税範囲を超えるお酒やタバコの数量管理

電子タバコが全面禁止になった一方で、伝統的な紙巻きタバコやアルコール類については、引き続き免税範囲内での持ち込みが許可されています。ただ、この「範囲」が意外とシビアで、少しでも超えると厳しい精査が入るんです。
| 品目 | 免税範囲(以下のいずれか1つ) |
|---|---|
| 紙巻きタバコ | 200本まで(通常1カートン) |
| 葉巻(シガー) | 20本まで |
| 刻みタバコ | 250gまで |
| アルコール(20度以上) | 1.5リットルまで |
| アルコール(20度未満) | 2.0リットルまで |
| ビール、その他 | 3.0リットルまで |
例えば、ウイスキーを2本(合計1.4リットル)持っているならセーフですが、1リットル瓶を2本持っているとアウトになります。課税されるだけならまだしも、申告せずに通過しようとして見つかると、税金に加えて罰金が上乗せされることも。
特にテト(旧正月)前後の時期は、密造酒対策としてアルコール類のチェックが非常に厳しくなります。お土産に高級な日本酒や焼酎を持っていきたい場合は、事前にボトルの容量を合計して、規定内に収まるか確認しておきましょう。
また、「201本目のタバコ」から課税対象になるという厳密な運用がなされていることも忘れないでくださいね。
ベトナムの税関が厳しい実態への実務的な対応策
税関の厳しさは、なにもタバコやお金だけではありません。私たちが普段何気なく持ち歩いている「薬」や「仕事道具」についても、ベトナム独自のルールが存在します。ここでは具体的な対策を紹介します。
処方薬の持ち込みに必要な英文診断書の準備

持病がある方や常用している薬がある方は、特に注意してください。ベトナムでは、薬物に対する監視が非常に強く、処方薬であってもパッケージや見た目から「不審な薬」とみなされると大変です。特に最近は、ドラッグの流入を防ぐために錠剤や粉末のチェックが慎重になっています。
トラブルを避けるために最も効果的なのが、医師が作成した英文の診断書(Medical Certificate)や処方箋(Prescription)のコピーを必ず携帯することです。これがあれば、その薬が医療上必要不可欠なものであることを、言葉が通じない税関職員に対しても客観的に証明できます。
英文証明書に記載すべき項目
- 患者の氏名(パスポートと一致していること)
- 病名または治療の目的
- 薬剤の一般名(成分名)と用量
- 1日あたりの使用量と、滞在期間に必要な総量
- 発行した医師のサインと病院の連絡先
日本語の処方箋や「お薬手帳」だけでは、現地の職員は理解できません。最悪の場合、成分の特定ができないとして、検査のために薬を一時没収されたり、入国に時間がかかったりするケースもあります。
自分の身を守るためにも、事前にかかりつけの病院で英文の書類を用意してもらうようお願いしておきましょう。また、薬は紛失や破損を防ぐため、受託手荷物(スーツケース)ではなく、必ず手荷物として機内に持ち込むのが私のおすすめです。
向精神薬や麻薬成分を含む医薬品の厳しい制限

日本の市販薬や医師から処方される薬の中には、ベトナムの法律で「麻薬成分」や「向精神薬」として厳格に管理されている成分が含まれていることがあります。これらは、一般的な風邪薬や鎮痛剤であっても該当する場合があるため、非常に注意が必要です。
ベトナム税関の規定では、これらの特殊な成分を含む薬を持ち込める量には、以下のような極めて厳しい制限が設けられています。
- 向精神薬: 最大10日分まで
- 麻薬成分を含む薬: 最大7日分まで
この日数分を超えて持ち込む必要がある場合は、ベトナム保健省からの特別な輸入許可を事前に取得しなければなりませんが、個人の旅行者がこれを行うのは非常にハードルが高いです。また、これらを携行する際は、必ず元のパッケージ(市販の箱や処方時の袋)に入れたままにしておきましょう。サプリメントケースなどに詰め替えるのは避けたほうが賢明です。
iPhoneや電子機器の課税対象となる金額基準

仕事で使うパソコンや、自分用のスマホを持っていくのは一般的ですが、ベトナムでは「新品」の電子機器の持ち込みにかなり厳しい目が向けられています。特に最新のiPhoneなどを複数台、未開封の状態で持ち込もうとすると、ほぼ確実に税関で止められます。
ベトナムの規定では、新品の電子機器(PC、スマホ、デジカメなど)の合計価値が1,000万ベトナムドン(約6万円前後、為替による)を超える場合、税関申告が必要となり、関税と付加価値税(VAT)の支払い義務が生じます。これはベトナム国内での転売を防ぐための措置です。
個人用とみなされる範囲は?
基本的には「自分が現在使用しているもの1台ずつ」であれば、1,000万ドンを超えていても個人用品として無税で通れることがほとんどです。しかし、以下のようなケースは要注意です。
- 未開封の箱に入ったままの最新スマートフォン
- 同じモデルのノートパソコンを2台以上持っている
- 高価なカメラレンズを何本も新品状態で持っている
「ベトナムにいる友人に頼まれたお土産」としてiPhoneを持っていく場合でも、価値が1,000万ドンを超えていれば課税対象です。申告せずに見つかった場合、没収や罰金の対象となる事例も報告されています。
高額なガジェットを持ち込む際は、箱から出して「使用中」の状態にしておくか、素直に申告して関税を支払う準備をしておくのがトラブル回避の近道かもしれませんね。
中古品の輸入禁止措置とノートパソコンの扱い
ベトナムは「環境保護」と「廃棄物対策」、そして「国内産業の保護」を理由に、中古品の輸入を法律で原則禁止しています。これは商用貨物だけでなく、個人が持ち込む手荷物についても適用されることがあるため、意外な盲点となります。
禁止されている主な中古品カテゴリは以下の通りです。
- 中古の電化製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ等)
- 中古のIT機器(PC、モニター、プリンター、部品等)
- 中古の衣類、靴、カバン(個人的な使用範囲を超えるもの)
ここで心配なのが、仕事で使っている「中古のノートパソコン」ですよね。これについては、明らかに個人が業務やプライベートで使用していることがわかる1〜2台程度であれば、税関で止められることはまずありません。
しかし、例えば「ボランティアで現地校に寄付するために、中古のPCを5台持ってきた」というようなケースは、輸入禁止ルールに抵触し、空港で没収されてしまう可能性が非常に高いです。
ベトナムの税関が厳しい現状を乗り切るためのまとめ
いかがでしたでしょうか。2025年のベトナム税関は、経済の発展とともに管理体制が一段と強化され、特に電子タバコの全面禁止や外貨申告、医薬品の持ち込み制限については「厳しい」と言わざるを得ない実態があります。
しかし、これらはすべて国家のルールであり、事前に正しく理解して準備をしておけば、決して恐れる必要はありません。
最後に、この記事のポイントを振り返ってみましょう。

✓ 電子タバコ全面禁止:2025年より本体・リキッドともに持ち込みも使用もNG。
✓ 電子タバコは即没収:発覚時は即没収。使用で約1万円の罰金、大量所持はより重罰。
✓ 現金5,000ドル超は申告:米ドル等で5,000ドル相当以上は税関申告が必須。
✓ 現地通貨は1,500万ドンまで:ベトナムドン(約9万円弱)以上の持ち込みも申告対象。
✓ 無申告は没収リスク大:申告漏れは超過分をその場で没収、さらに罰金の可能性も。
✓ 出国時の「持ち出し」に注意:入国時の申告控えがないと、5,000ドル超の現金は持ち出せない。
✓ お酒・タバコの免税枠:紙巻きタバコ200本、20度以上のお酒1.5Lまで。
✓ 常備薬には英文証明書を:処方薬は「英文診断書」や「処方箋コピー」の携行が推奨。
✓ 特定薬の持ち込み日数制限:向精神薬は最大10日分、麻薬成分含有薬は最大7日分まで。
✓ 高額電子機器・中古品は慎重に:1,000万ドン超の新品や、寄付用の大量中古PCは課税・没収対象。
ルールさえ守れば、ベトナムは本当に魅力あふれる素晴らしい国です。正確な情報はベトナム税関総局や在ベトナム日本国大使館の公式サイトを随時確認し、万全の準備で旅を楽しんでくださいね。もし不安なことがあれば、出発前に旅行会社や専門家へ相談することをおすすめします。
