ベトナムの空港はどこがいい？主要空港の徹底比較：目的から選ぶ最適な選択肢

ベトナム旅行を計画する際、最初の関門となるのが空港選びです。

「ベトナムの空港は、一体どこがいいのだろう？」と悩む方は少なくありません。目的地によって最適な空港は異なり、空港選びを間違えると移動に時間や手間がかかってしまうこともあります。

この記事では、ベトナムの主要な国際空港を網羅した空港一覧から、日本からのベトナムに行くフライト情報、各空港の空港施設や市内へのアクセス方法まで、あなたの疑問を解消するために必要な情報を詳しく解説します。旅行のスタイルや目的に合わせて、最適な空港を見つけるお手伝いをします。

ベトナムの空港はどこがいい？主要3大空港を比較

ベトナムの主要な国際空港一覧

ベトナムを訪れる際に利用する空港は、主に北・中・南の3つのエリアに分かれた国際空港が拠点となります。国土が南北に細長いため、ハノイやホーチミンといった主要都市や、ダナンなどのリゾート地へは、それぞれのエリアに最も近い空港を選ぶのが一般的です。

ベトナムには現在、旅行者が利用可能な国際空港が10か所以上稼働しています。その中でも特に利用頻度が高いのは、首都ハノイの「ノイバイ国際空港」、南部の大都市ホーチミンの「タンソンニャット国際空港」、そして中部リゾート地の玄関口である「ダナン国際空港」の3つです。これら3大空港が、ベトナムの空の交通網の核を成しています。

その他にも、ニャチャンへ向かう際の「カムラン国際空港」や、フーコック島のリゾートを満喫するための「フーコック国際空港」なども、特定の目的地を目指す旅行者にとっては重要な選択肢となります。以下の表に、主要な国際空港をまとめました。

空港名	所在地（主要都市）	空港コード
ノイバイ国際空港	ハノイ（北部）	HAN
タンソンニャット国際空港	ホーチミン（南部）	SGN
ダナン国際空港	ダナン（中部）	DAD
カムラン国際空港	ニャチャン（中部）	CXR
フーコック国際空港	フーコック島（南部）	PQC
カットビ国際空港	ハイフォン（北部）	HPH

これらのことから、ベトナム旅行の計画を立てる第一歩は、訪れたい都市や地域を決め、そこから最もアクセスの良い空港を把握することだと言えます。

日本からベトナムに行くフライト情報

現在、日本からベトナムへは、複数の航空会社が直行便を運航しており、非常にアクセスしやすくなっています。主に、日本の成田、羽田、関西、中部、福岡といった主要空港から、ベトナムのハノイ、ホーチミン、ダナンへ向かう路線が充実しています。

利用可能な航空会社は、日本航空（JAL）や全日本空輸（ANA）といった日本のフルサービスキャリアに加え、国営のベトナム航空、そして格安航空会社（LCC）のベトジェットエアなど、選択肢が豊富です。これにより、サービスの質や予算に応じてフライトを選べます。

直行便を利用した場合の飛行時間は、目的地にもよりますが、おおよそ6時間から7時間程度です。時差も2時間と少ないため、身体的な負担が少なく旅行を楽しめるのも魅力と言えるでしょう。

一方で、地方空港から出発する場合や、さらに費用を抑えたい場合には、ソウル、台北、香港などを経由する乗り継ぎ便も有効な選択肢となります。乗り継ぎ便は移動時間が長くなるというデメリットはありますが、航空券の価格が安くなる傾向にあり、旅費を節約したい方にはおすすめです。

このように、日本からベトナムへのフライトは選択肢が多岐にわたるため、出発地、予算、希望するサービス内容を考慮して、最適なフライトプランを立てることが可能です。

南部の玄関口タンソンニャット空港

ベトナム南部の大都市ホーチミンに位置するタンソンニャット国際空港（SGN）は、ベトナムで最も利用客数が多い、まさに国の玄関口と呼べる空港です。年間3,000万人以上が利用し、国際線・国内線ともに多くの路線が就航しています。

この空港の最大のメリットは、ホーチミン市内中心部から約8kmと非常に近い点です。交通渋滞がなければ、車で30分程度で市街地へアクセスできるため、到着後すぐに観光やビジネス活動に移れます。

しかし、その利便性の裏返しとして、常に混雑している点がデメリットとして挙げられます。特に朝夕のピーク時には、チェックインカウンターや保安検査場が大変混み合い、通過に1時間以上かかることも珍しくありません。

そのため、この空港を利用する際は、特に国際線の出発時には3時間以上前に到着するなど、時間に十分な余裕を持つことが大切です。

現在、タンソンニャット空港の混雑緩和を目的として、ホーチミン市から東に約40kmの場所に「ロンタイン国際空港」の建設が進められています。

2026年頃の第1フェーズ開業が目指されており、完成すればベトナムの空の交通事情が大きく変わることが期待されます。

北部の玄関口ノイバイ空港

ベトナムの首都ハノイにあるノイバイ国際空港（HAN）は、ベトナム北部における空の玄関口です。政治や文化の中心地であるハノイや、世界遺産ハロン湾などへのアクセス拠点として、多くの旅行者やビジネス客に利用されています。

この空港の大きな特徴は、2014年に日本の政府開発援助（ODA）によって建設された国際線専用の第2ターミナル（T2）です。このターミナルは近代的で非常に清潔感があり、広々とした空間が確保されているため、他のベトナムの空港と比較しても快適に過ごせます。

ただし、注意点として、国内線が発着する第1ターミナル（T1）とは少し距離が離れており、移動には無料のシャトルバスを利用する必要があります。所要時間は10分程度ですが、乗り継ぎがある場合は、この移動時間も考慮してスケジュールを組むことが求められます。

市内中心部までは約30kmと、ホーチミンのタンソンニャット空港に比べると少し距離があります。市内へのアクセスには約40分から1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。

中部の玄関口ダナン空港

ベトナム中部の人気リゾート地ダナンに位置するダナン国際空港（DAD）は、美しいビーチや世界遺産の街ホイアンへのアクセス拠点として近年急速に重要性を増しています。リゾート感を味わえる、開放的でモダンなデザインが特徴の空港です。

この空港最大の魅力は、なんといっても市内中心部からのアクセスの良さです。空港から市街地まではわずか5kmほどの距離で、タクシーを利用すれば10分程度で到着します。この手軽さは、限られた旅行時間を有効に使いたい観光客にとって大きなメリットです。

空港の規模としては、ハノイやホーチミンの空港に比べるとコンパクトです。そのため、空港内での移動が少なく、チェックインから搭乗までスムーズに進む傾向があります。一方で、規模が小さい分、免税店やレストランの選択肢は限られるという側面もあります。

また、国際線ターミナルと国内線ターミナルは隣接しており、徒歩5分ほどで移動が可能です。ホーチミンやハノイ経由で国内線に乗り継ぐ場合でも、ストレスなく移動できる設計になっています。

人気リゾート地のフーコック・カムラン空港

ベトナムの3大空港以外にも、特定のリゾート地を目指す旅行者にとって非常に便利な空港が存在します。その代表格が、ニャチャン近郊の「カムラン国際空港（CXR）」と、フーコック島にある「フーコック国際空港（PQC）」です。

カムラン国際空港（CXR）

カムラン国際空港は、美しいビーチが連なるリゾート都市ニャチャンの玄関口です。日本からの直行便はありませんが、ハノイやホーチミンで国内線に乗り継ぐことでアクセスできます。

近年、国際線ターミナルが新設され、施設も充実してきています。ニャチャンでのんびりとした休暇を過ごしたい方には、最適な選択肢と言えるでしょう。

フーコック国際空港（PQC）

フーコック国際空港は、「ベトナム最後の楽園」とも呼ばれるフーコック島への唯一のアクセス手段です。こちらも日本からの直行便はなく、主にホーチミンなどからの乗り継ぎ便を利用します。

空港自体はリゾートアイランドの玄関口らしく、ゆったりとした雰囲気が漂っています。手つかずの自然や美しいビーチを求める旅行者にとって、この空港は欠かせない存在です。

これらの空港は、特定の目的地に特化しているため、ハノイやホーチミンのような大都市の喧騒から離れ、リゾートでの滞在を主目的とする場合に非常に有効な選択肢となります。

ベトナムの空港はどこがいいか決めるー施設とアクセスの比較

主要空港のラウンジサービス

フライトまでの待ち時間を快適に過ごす上で、空港ラウンジの存在は大きなポイントです。ベトナムの主要空港には、それぞれ特徴のあるラウンジが用意されており、航空会社のステータスやプライオリティパスの有無、あるいは有料で利用が可能です。

以下に、主要3空港の国際線ラウンジをまとめました。

タンソンニャット国際空港（SGN）

ラウンジ名	主なアクセス方法	特徴
レ・サイゴンネイズ・ビジネス・ラウンジ	航空会社指定 (ANA,、JAL等)、有料	洗練されたデザイン、質の高いベトナム料理
ロータス・ラウンジ	ベトナム航空/スカイチーム指定	航空会社公式ラウンジ
ローズ・ビジネス・ラウンジ	プライオリティ・パス、ラウンジキー、有料	広々とした空間、豊富なベトナム料理
ジャスミン・ハラル・ラウンジ	プライオリティ・パス、ラウンジキー	ハラル食専門、礼拝室完備
アプリコット・ビジネス・ラウンジ	プライオリティ・パス、JAL指定、有料	シャワー設備が利点

ノイバイ国際空港（HAN）

ラウンジ名	主なアクセス方法	特徴
NIAビジネスクラス・ラウンジ	航空会社指定 (ANA、JAL等)	広々とした空間、充実した設備
SH・プレミアム・ラウンジ	プライオリティ・パス、JAL指定、有料	豪華な内装、質の高い食事
ACVビジネス・ラウンジ	航空会社指定、有料	豊富なアメニティ、長時間の滞在に最適
ロータス・ラウンジ	ベトナム航空/スカイチーム指定	航空会社公式ラウンジ

ダナン国際空港（DAD）

ラウンジ名	主なアクセス方法	特徴
CIPオーキッド・ラウンジ	プライオリティ・パス、有料、航空会社指定	豊富なアメニティ（仮眠ベッドあり）
ロータス・ラウンジ	ベトナム航空/スカイチーム指定	航空会社公式ラウンジ

免税店や飲食店の充実度

空港での最後の楽しみの一つが、ショッピングや食事です。この点においても、ベトナムの主要空港はそれぞれ異なる特徴を持っています。

最も店舗が充実しているのは、やはりホーチミンのタンソンニャット国際空港です。ベトナム最大の空港だけあり、国際線ターミナルには高級ブランドから化粧品、お土産物まで幅広い品揃えの免税店が並びます。レストランやカフェ、フードコートの選択肢も豊富で、ベトナム料理の食べ納めにも最適です。

ハノイのノイバイ国際空港も、免税店の規模は大きく、特に「LOTTE DUTY FREE」などが出店しておりショッピングを楽しめます。飲食店もベトナム料理からファストフードまで一通り揃っており、不自由することはありません。

ダナン国際空港は、前述の通り規模がコンパクトなため、免税店や飲食店の数は限られます。しかし、主要な化粧品ブランドやお酒、タバコなどを扱う免税店はあり、ベトナムコーヒーが楽しめるカフェやベトナム料理レストランもあるため、フライト前の時間を過ごすには十分な施設が整っています。お土産を買い忘れた場合でも、空港内で調達可能です。

乗り継ぎの利便性で選ぶ

ベトナム国内の複数都市を周遊する旅行プランの場合、空港での乗り継ぎのしやすさが旅の快適さを大きく左右します。ターミナル間の移動方法や距離は、空港によって大きく異なります。

乗り継ぎの利便性で評価が高いのは、ホーチミンのタンソンニャット国際空港とダナンのダナン国際空港です。これらの空港では、国際線ターミナルと国内線ターミナルが隣接しているか、非常に近い距離にあります。

そのため、徒歩での移動が可能であり、案内表示に従って進むだけでスムーズに乗り継ぎができます。特にダナン空港は建物が隣り合っているため、移動時間は5分程度と非常に便利です。

一方で、注意が必要なのがハノイのノイバイ国際空港です。国際線が発着する第2ターミナルと、国内線が発着する第1ターミナルは離れており、移動には無料のシャトルバスを利用します。

バスの待ち時間と移動時間（約10分）を合わせると、最低でも30分程度の余裕を見ておく必要があります。ハノイで乗り継ぎを計画する際は、この移動時間を念頭に置き、乗り継ぎ時間にゆとりを持たせることが肝心です。

空港から市内へのアクセス方法まとめ

空港に到着してから市内中心部への移動は、旅のスタートをスムーズにするための重要な要素です。ベトナムの主要空港では、主にタクシー、配車アプリ、路線バスが利用されています。

最も一般的で便利なのはタクシーですが、利用する際には注意が必要です。メーターを使わなかったり、法外な料金を請求したりする、いわゆる「ぼったくり」のリスクがあります。これを避けるためには、車体に会社名が明記されている「マイリン（MAI LINH）」や「ビナサン（VINASUN）」といった大手タクシー会社の正規乗り場から乗車することを強くお勧めします。

また、東南アジアで普及している配車アプリ「Grab」も非常に有効です。アプリ上で行き先と料金が確定するため、言葉の壁や料金交渉の心配がなく、安心して利用できます。

バスは、最も安価な移動方法ですが、待ち時間・乗車時間がタクシーより長くなり、バス停から目的地まで歩く必要があります。また、バスの種類によって、スーツケースを運ぶのが困難であったり、英語は通じなかったりします。

以下に、主要3空港から市内へのアクセス方法の目安をまとめました。なお、所要時間は交通状況によって大きく変わることがあり、料金も変更があるため、あくまで参考としてください。

ホーチミン・タンソンニャット空港

移動手段	所要時間	料金
タクシー	30分	1,000円程度
チケット制タクシー	30分	一般タクシーよりやや高い
Grabタクシー	30分	1,000円程度
路線バス	45分	50～200円程度

ハノイ・ノイバイ空港

移動手段	所要時間	料金
タクシー	45分	3,000円程度
Grabタクシー	45分	3,000円程度
エアポートバス	1時間	300円程度

ダナン空港

移動手段	所要時間	料金
タクシー	15分	500円程度
Grabタクシー	15分	500円程度
市営バス	路線による	50円程度

これらの情報を基に、ご自身の予算や利便性に合わせて最適な移動手段を選びましょう。

まとめ：ベトナムの空港はどこがいいかは、あなたの旅行スタイル次第

この記事のポイントをまとめます。

✓ ベトナムの空港選びは旅行の目的地のエリアで決めるのが基本

✓ 北部のハノイ観光ならノイバイ国際空港が玄関口

✓ 南部のホーチミン観光ならタンソンニャット国際空港を利用する

✓ 中部のダナンや世界遺産ホイアンへはダナン国際空港が最も便利

✓ 日本からベトナムへは複数の航空会社が直行便を運航している

✓ 直行便の飛行時間は約6時間から7時間程度が目安

✓ ホーチミンのタンソンニャット空港は市内から近いが混雑に注意

✓ ハノイのノイバイ空港は近代的で清潔な施設が魅力

✓ ダナン空港は市内へのアクセスが抜群で移動が非常に楽

✓ 空港から市内への移動は配車アプリのGrabか大手タクシー会社が安心

✓ タクシー利用時はマイリンやビナサンといった信頼できる会社を選ぶ

✓ 各空港にはプライオリティパスや有料で利用できるラウンジがある

✓ 国内の周遊旅行では空港での乗り継ぎのしやすさも考慮に入れる

✓ ノイバイ空港での乗り継ぎはターミナル間のバス移動時間を確保する

✓ 最終的にベトナムの空港はどこがいいかは、あなたの旅のスタイル次第